ゲームミックス(GameMix)とは
いま話題の最新ゲーム情報をいち早くお届けるする、ゲームニュース総合配信サイト。
国内から国外、PCゲームからスマホゲームまで幅広いジャンルから多数のメディア様の情報をご用意!
TOP PCゲーム 太鼓の達人

『太鼓の達人』などを開発するバンダイナムコアミューズメントラボのキーパーソンに聞く。「どこを破壊して、どこを守るかという観点はつねに持ち続けている」【ファミキャリ!エージェントが聞く】

 バンダイナムコアミューズメントラボは、アミューズメント施設向けゲーム機や施設の企画開発を行うリアルエンターテインメント専門の開発スタジオとして、2018年10月にバンダイナムコスタジオから分社して設立された会社。『太鼓の達人』シリーズや『湾岸ミッドナイト』シリーズなどのタイトルを手掛けている。

広告--> 広告

 近年では、VR・ARコンテンツなども積極的に開発しているほか、バラエティースポーツ施設“VS PARK”向けの大型アクティビティ、『屋内冒険の島ドコドコ』などの企画開発も行っている。

 今後も、ゲームの枠に縛られることなく、世界をあっと驚かせるようなリアルエンターテインメントの創出に挑戦していくという。

 ここでは、『太鼓の達人』シリーズの中核を担う江藤裕平氏に、『太鼓の達人』開発のこだわりや、バンダイナムコアミューズメントラボで求められる人材像について、クリーク・アンド・リバー社 デジタルコンテンツ・グループ古川夕夏氏が聞いた。



江藤裕平氏(写真左)

バンダイナムコアミューズメントラボ
開発本部
企画部 企画4課 課長

古川夕夏氏(写真右)

クリーク・アンド・リバー社
デジタルコンテンツ・グループ

バンダイナムコアミューズメントラボの求人情報はこちら「ゲームで世界をよりよくしたい」との思いからこの業界に

古川まずはバンダイナムコアミューズメントラボさんの事業内容について教えてください。

江藤大きく言えば、リアルな場所をベースにした空間も含めたコンテンツ開発を行っています。具体的にはアーケード向けの機器開発や運営、ショッピングセンターなどに付随するエンタメ系施設の開発、運営ですね。

 既存例としては、身体を使ったエンタメ要素の強いスポーツを楽しめる“VS PARK”という施設があって、そこに置くコンテンツの開発や小学生や幼児向けの体験型施設『屋内冒険の島ドコドコ』の運営などがあります。

古川『屋内冒険の島ドコドコ』はどのようなアトラクションなのでしょうか?

江藤モーションキャプチャーで動かしているキノコの小人のようなキャラクターたちがいて、「そこの赤い服を着ている君!」みたいに話しかけてくれる、妖精の森に入り込んだような体験ができる場所になっています。アスレチックなども用意していて、デジタルと遊具を融合させたような施設です。“ドコドコ”は、トータルで企画・開発を行っています。

古川ゲームセンター関連だけでなく、そういった施設の運営開発も行われているんですね。

江藤あとは、ゲームセンターの事業者さん向けに、運営効率を上げるようなシステム開発の提案なども行っていて、最近は少し手広くなってきています。ゲーム開発はロジックの部分も強く要求されるので、そういう自分たちの強みをゲーム以外のエンタメにも適用しています。

 まだ詳細はお伝えできないのですが、ほかにもグループ会社で景品を扱った新しいビジネスを考えたりもしていて、“リアルな場所や空間をベースに何でもやっている会社”と言っていいかと思います。

“VS PARK”公式サイト

古川江藤さんは現在どのようなお仕事をされているのでしょうか?

江藤僕はバンダイナムコアミューズメントラボの企画部で、アーケード版や家庭用、スマートフォン版の『太鼓の達人』を開発しています。『太鼓の達人』の開発全般は弊社で行っているのですが、その中でもリーダー的な立ち位置と言いますか、製品の戦略設定やコンセプト立案、メンバーのマネジメントなどを行っています。

古川『太鼓の達人』の開発にはどういったきっかけで参加されたのですか?

江藤僕は2008年に当時のバンダイナムコゲームスに入社しまして、入社直後の半年は新人研修みたいなものがあったんですね。それが終わったときに、どのプロジェクトに配属を希望するかを2択で聞かれたんです。ダンスのゲームと太鼓のゲーム、どちらがいいかという。タイトルを伏せてもバレバレなのですが(笑)。

古川そこで太鼓の道を選ばれたのですね。

江藤『太鼓の達人』は製品開発スパンが早くて、当時でも1年で家庭用ゲーム機向けもアーケード向けもひっくるめて3、4ラインくらいの開発が同時並行しているような状態だったんです。極めて短期間で製品開発の1から10までを学べるのであれば……と思って決めました。それ以来、2008年からずっと『太鼓の達人』のプロジェクトにいる、という感じです。

古川もう13年も関わられているんですね! 江藤さんは学生のころからゲーム業界を目指していたのでしょうか?

江藤小さいころからゲーム業界を目指していたわけではありませんが、ゲームはとにかく大好きでした。ゲームセンターは中学生ごろから音ゲーなど熱心に遊んでいましたね。高校生のときにはMMORPGをプレイしたくて、親に頼み込んで環境を整えてもらって、そこからずっと遊んでいました。

 大学はゲームと関係のない、環境問題を取り扱うようなところに進学したのですが、もっと別のアプローチで世界をよくできないかな、と思うようになったんです。自分の中ではゲームこそがエンタメの最高峰だったので、ゲームで世界をよりよくしたい、みたいな思いが湧き上がってきて。ちょっと中2病っぽいのですが(笑)。そういう想いでゲーム業界の門を叩きました。



『太鼓の達人』の開発は、2歩下がって3歩進む?

古川『太鼓の達人』のチームは現在何名程度の方がいらっしゃるのですか?

江藤関わっているメンバーの延べ人数で言うと30人、40人程度ですが、製品によって変わってきます。外部の協力会社様にご協力いただいている場合は5人くらいが内部メンバーのこともありますし、内部で完結させるのであれば20人弱のチームになっていることもあります。メンバーによっては複数のプロジェクトを兼任していることもあります。企画に絞ると全体で14人くらいですね。

古川先ほど『太鼓の達人』は開発ラインがつねに複数動いているというお話もありましたが、現在はどの程度のプロジェクトが走っているのですか?

江藤運営フェイズに入っているものも含めると、いまは10ライン近いです。それぞれ規模の大小はあるのですが、半分くらいが運営で、もう半分は新規の製品です。

古川ゲーム内での挑戦だけでなく、作り出したものの展開レベルでの挑戦もできるということですか?

江藤弊社の強みとしては、ゲーム機などのプラットフォームにとらわれない、リアルな空間をベースにしたエンタメ体験を手掛けられるところがあるので、家庭用ゲームだけを作るのとはまた違った経験を得られると思います。

 僕がバンダイナムコに入社したのも、どのプラットフォームにも製品を出していたのが大きいんです。それこそゲームセンターやテーマパークの事業なども手掛けていたので、「出口が無限にあるところに行けるな」と思ったんです。いまはそれに主として挑戦するところにあるので、楽しい職場だなと思います。

古川『太鼓の達人』を制作するうえで、大事にされていることは何ですか?

江藤『太鼓の達人』は老若男女を問わずすべての人に楽しんでいただきたい、ということを掲げているのですが、そうは言っても人によって何が楽しいかは違うので、100人中100人を楽しませるのはなかなか難しいとは思っています。

 もちろん、音楽で遊ぶなら『太鼓の達人』だね、とすべての人に思っていただきたいという気持ちは持ちつつも、製品ごとに“どんな人に楽しんでいただけるか”、ということにフォーカスするようにしています。

古川アプリ版であれば、対象はより若者向けに……といったことですね。

江藤そうです。たとえば、家庭用ゲーム機であればリビングに置かれることが多いので、“家族で楽しんでもらえるなら”とか、“お子さんが友だちを家に呼んで遊ぶなら”、といった感じでどんなシーンで遊ばれるか、TPOのようなものを深くイメージしながら開発をしています。

 『太鼓の達人』には収録曲もたくさんあるのですが、そのひとつひとつを取っても、老若男女問わずという視点を持ちつつも、たとえばアニメの曲であればそのアニメをいちばん楽しんでいるのはどんな方なのか……ということを考えています。

古川長く続くシリーズということもあって、何を守り、何を新しくしていくかという点での挑戦もたいへんではないでしょうか?

江藤僕がチームに参加してから、10年以上『太鼓の達人』に関わっていますし、製品としては20年の歴史があるので、どこを破壊して、どこを守るかという観点はつねに持ち続けています。皆さんが「『太鼓の達人』ってこういうものだよね」と、求めている部分は達成しないといけないのですが、そこにこだわりすぎると今度は飽きられてしまいかねないので、そこは日々戦いですね。

古川そういった挑戦のなかで、具体的に取り組まれた一例をお話しいただけますか?

江藤これはアーケード版でのお話になるのですが、一度ストーリー的な遊びにトライしたことがあるんです。ニンテンドーDSでリリースした『太鼓の達人 DS 7つの島の大冒険』でストーリーモードを入れて好評だったので、継続して遊んでいただくという観点から、それをアーケード版にも取り入れたのですが、結果としては失敗してしまいました。

古川あら、何が問題だったのでしょう?

江藤ストーリーがいらない、というわけではないとは思うのですが、もっと別のところに求められているものがあったのだと思います。とはいえ、その失敗はすぐに分析を行って、結果として “AIバトル演奏”が生まれました。これはただ演奏するだけではなくて、CPU(AI)と対戦しながら演奏をするモードです。こちらは割合ちゃんと遊んでいただけています。

古川そちらはどのようなアプローチを行ったのですか?

江藤『太鼓の達人』でハイスコアを目指して遊んでくださっている方は、遊べば遊ぶほどストイックな遊びになってくると思うんです。でもそうなると、演奏後にスコアが過去のものを、1点でも上回れないと、ちょっと残念な気持ちになってしまうというか、シビアな面が出てくると思うんです。

 本来演奏はスコアだけで判断されるものではないので、AIバトル演奏ではプレイヤーさんとほぼ同じ腕前の演奏をするCPUと競えるようにしました。たとえば、80万点前後を取るような人であれば、CPUも80万点を超えたり80万点に届かなかったりするぐらいの腕前になるんです。

古川遊ぶプレイヤーさんのレベルに合わせて、ちょうどいい相手が出てくるわけですね。

江藤そうなんです。リアルタイムにちょっとずつ強くなったり弱くなったりするので、勝つか負けるかわからない、いい勝負が誰でもできるんですよ。こういう対戦モードがあると、たとえばスコアでは自己ベストを下回ったけれど対戦には勝てるとか、このままだと負けそうだから気合いれて演奏しないととか、そういう部分でうれしくなったり、熱くなったり、ストイックさを緩和できるんです。

古川なるほど。ストーリーとAIバトル演奏とで、結果を分けたのはどのような部分だったのでしょうか。

江藤やはりハイスコアを意識したりするのも、「できたぞ」っていう実感を得るために上達を目指しているからだということに気づけたのが大きいです。ストーリーもストイックさを緩和するためにトライしたものではあるのですが、演奏という中心部分から離れた部分でのモチベーション作りだったので、うまく刺さらなかったんだと思います。でもAIバトル演奏は勝てた、負けた、みたいなところで、より演奏に紐づいた刺激だったので、そこがうまくプレイヤーさんに刺さったのかなと。

古川そういった挑戦をいまでも日々続けられているわけですね。

江藤そうですね。2歩下がって3歩進むみたいな、そんなことを毎日やっています(笑)。

コメントを投稿する

関連トピック

Xboxシリーズ初対応! 『太鼓の達人The Drum Master!』が1/27に配信されるドン
電撃オンライン / 約16時間前
『太鼓の達人 The Drum Master!』がXbox Series X|S/Xbox One/PC向けに1月27日配信決定! Xbox Game Passにも対応
ファミ通.com / 約24時間前
PC/Xboxシリーズ対応「太鼓の達人 The Drum Master!」が1月27日に配信決定。約70曲の最新曲をラインナップ
4Gamer.net / 1日前
【最大96%OFF】Switch、PS5/PS4、PC(Steam)などウィンター・年末年始セールまとめ。『FF7リメイク』『BF2042』『ロストジャッジメント』などお買い得に!
ファミ通.com / 26日前
『テイルズ オブ アライズ』『太鼓の達人』などバンダイナムコエンターテインメントのDL版ゲームをお得に買えるセールが実施中
ファミ通.com / 29日前